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㈱トミーウォーカーのPBW【サイキックハーツ】キャラクタの設定・小話・仮プレ置き場です。
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りいらちゃんお迎え日SS





「ここがりいらちゃんのお部屋ですよ」
 都子がマホガニーの重厚なドアを開けると、パステルカラーで飾られた愛らしい部屋が現れた。
「気に入ってもらえると嬉しいんですが」
「うん、あ、ありがと」
 都子の言葉に小さな声が返ってくる。
まだ、その言葉も表情もぎこちない。この小さな少女が本当に立ち直るには随分多くの時間がかかるだろう、と都子は思う。今の自分でさえ、恐らく本当に乗り越えたとは言えない状態なのだから。
 それとも、一生乗り越えることなど出来ないのかもしれない。傷は傷のまま抱えて、その痛みとの付き合い方を覚えていくだけなのかも……。
 そっと膝を折ってりいらの幼い掌を包み込む。都子は女性の中では背が高い方だし、りいらは逆に身長が低いので目線を合わせるのにはこうして都子がしゃがまなくてはいけない。
「色々、忘れられない事はありますけど……。でも、今日から私が貴女のお姉さんですからね。どうか、いっぱい我侭を言って下さいね」
 言葉でどう言い繕おうと感情の距離感はまだ、他人だ。家族になるというのはとても難しい。でも、二人で頑張ればいずれは、と、都子は期待している。お互いに我侭を言ったり、理不尽を言ったり、喧嘩したり、それでも何もなかったように仲直りして、また我侭を言い合って。
 そんな家族になって行きたい。
「我侭……?」
 りいらは都子に包まれた自分の掌をじっと見つめて考えている。それからややあって口を開き、赤い頬でそっと呟く
「あの、ね」
「はい」
「私、このお部屋があるけどね、お姉ちゃんの部屋で寝てもいい?」
 独りぼっちなのは寂しいから――。都子の胸にそんな続きが自然と浮かぶ。ゆっくりと微笑んでりいらを抱きしめた。
「ええ、勿論」
「――おねえ、ちゃん、お姉ちゃん」

 確認するようにりいらの口が何度も都子に呼びかける。この人は、自分の家族なのだと。都子はりいらの気が済むまで、ただ穏やかに返事をし続けていた。
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