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㈱トミーウォーカーのPBW【サイキックハーツ】キャラクタの設定・小話・仮プレ置き場です。
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日付的には二日遅れてしまったけどりいらちゃんは10/12がお誕生日でしたー。
 リプレイ返却が11日だったので、その翌日都子の妹になってもらった感じかなーとなんかそういう思考回路を辿って。TW4のキャラとしてのりいらちゃんの誕生日は12日なのです。そういう事で。







 りいらを家に迎え入れて、其の日の内に「実は誕生日なんだ」と言われた時の都子の驚きと慌てぶりと言ったら、まあ如何ばかりだったことか。
 誕生日は勿論の事、都子の妹となってくれたその当日だって大切な記念日だ。
 盆と正月がいっぺんにやってきたのになんの準備もしていない……。せめて、前の日に解っていれば。そういう心境だった。
 何しろ夕飯の後でそういう話になったのである。まだ朝に聞けたならそれから準備する事も出来たのに。
 初めて一緒に食べる夕飯だから、と奮発してデザートがケーキだった事がせめてもの救いか。
 それでも都子は必死に脳を働かせた。りいらは世間話のつもりだったらしく、都子が絶句して固まってしまったのを不思議そうに眺めている。やがて、閃いた! とばかりに勢い込んで都子が立ち上がった。
「ちょっと、待ってて下さい。直ぐに戻りますから」
「え? う、うん」
 そして首を傾げるりいらを置いてばたばたと慌しく駆けて行く。慌てふためいているのがその足音だけでも良く解る。
 りいらは、言わない方が良かったかなあ、と少し肩を竦めた。
 都子が思いついたのは、自分が幼い頃両親から贈られた兎のぬいぐるみだった。十年は昔の物なのだが、今は亡き肉親の形見であるし、マメに虫干ししたりクリーニングに出したりしているからとても年月を感じさせない。
 ありあわせだが都子にとっては思い入れのある品で、りいらが持てばさぞ愛らしかろうと思う。兎の耳にリボンを結び、もう一本のリボンをポケットに入れて立ち上がる。
「来年は……ちゃんとしますからね」
そう呟きながら。

 自分の体の半分は隠れてしまうようなサイズのぬいぐるみを見せられて、りいらが歓声をあげた。
「可愛い、大きい!」
「あの、私のお古になっちゃうんですけど……」
ぬいぐるみをりいらに渡してからポケットのリボンで彼女の髪を飾る。鏡を見てそれが兎の耳についているものとお揃いだ、と気がつくとりいらは嬉しそうに微笑んだ。その屈託のない笑顔が、逆に申し訳なくなってしまう。
「大切な日だったのに、これ位しか出来なくてごめんなさいね」
「そんな事ないよ、兎さんもリボンも、私大好き!」
 ぎゅうっとぬいぐるみを抱きしめて、それから都子の胸にもたれかかってくる。愛おしい重みに都子もゆっくりと微笑した。
「この兎さん、お姉ちゃんの匂いがする」
「えぇ? そうですか……?」
 もう小さな子供ではないしそのぬいぐるみに触れるのは手入れをする時位だった。たった今抱えた時に香りが移っただろうか? 首を傾げる都子にりいらがまた嬉しそうに笑いかけた。
「するよ、すごく良い匂い」
 香りを褒められる、というのは何だか気恥ずかしいものだ。都子はうっすらと頬を染める。それを誤魔化すようにぬいぐるみごとりいらを抱きしめた。
「産まれて来てくれて、ありがとう」
「うん……」

 それから、この子を今まで大切に育んでくれて有難う御座いました、と一度も会った事のないりいらの家族に心の中で頭を下げた。

――これからは、私がこの子を守っていきます。

と。
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